お宮参りの産着・祝着(のしめ)の準備完全ガイド!費用や選び方を解説
お宮参りは、赤ちゃんの健やかな成長を願う大切な伝統行事です。
その際に欠かせないのが赤ちゃんの衣装である「産着(祝着・のしめ)」です。しかし、「どのような祝着を選べばよいのか?」「購入やレンタル、どちらがお得?」など、初めての方にとっては悩むポイントが多いでしょう。本記事では、お宮参りの産着の種類や費用、選び方のポイントについて詳しく解説します。最後まで読むことで、赤ちゃんにぴったりの祝着をスムーズに準備できるようになります。
お宮参りに着る産着・祝着(のしめ)とは?
お宮参りで赤ちゃんが着用する産着(祝着・のしめ)は、赤ちゃんの健康と幸せを願う特別な伝統的な着物です。
古くから日本では、生後30日前後に赤ちゃんを氏神様へ健やかな成長を祈る風習があります。その際、赤ちゃんの正装として産着を着用します。
産着(うぶぎ)や祝着(のしめ)、祝い着(いわいぎ)、掛け着(かけぎ)など様々な呼び名があります。
生まれて間もない赤ちゃんは魔除けの意味から、地味が色味の服を着せ、1か月成長したころに晴れ着である色付きの着物を着せたことが、宮参りの際に着る産着の由来とされています。
現代では伝統を大切にしながらも、デザインのバリエーションが豊富になり、家庭の考え方や地域の慣習に応じた選択肢が広がっています。
晴れの日の記念として、お宮参りの写真撮影時にも産着を着用する家庭が多く、思い出として形に残すこともできます。
赤ちゃんの晴れ姿を彩る祝着(のしめ)の役割
祝着(のしめ)は、赤ちゃんの成長と無病息災を願うお宮参りの際の赤ちゃんの正装とされています。
伝統的には母方の祖父母が用意することが多いようですが、地域により伝統的に祝着は男の子なら父方の祖父母が用意することもあるようです。誰が用意するかは事前に家族と話し合っておきましょう。
着物の下には白羽二重(しろはぶたえ)という白色の内着を着きて、上から祝着を掛けるのが正装とされていますが、近年では赤ちゃんへの負担を考慮するなど、着物の下にはベビードレスやロンパースなどを着せるケースも多く見られます。
お宮参りの際には、赤ちゃんを抱く母親や祖母の肩から掛け、抱っこしている人の背中で蝶結びをします。
着物の柄にはさまざまな意味が込められており、例えば、勇ましい龍や鷹、身を守る兜や刀、華やかで品格のある花や、長寿を願う蝶や鶴などの柄があります。
最近では、レンタルや購入の選択肢が増え、デザインもカラフルでモダンなものから、伝統的な古典柄まで多様化しています。
また、お宮参りの写真撮影では、記念として祝着を着せた写真を残すケースが増えており、一生に一度のイベントとして大切にされています。
祝着(のしめ)が必要な時期について
赤ちゃんが生まれてからは、赤ちゃんのお世話やご家庭の事でママやパパも忙しくなります。どこで用意するのか、どんなものを用意する必要があるのか、赤ちゃんの出産予定日の2か月~1か月前にはある程度のリサーチをしておきましょう。
また、誰が用意するのか、祖父母との相談も必要です。
お宮参りは、一般的に赤ちゃんが生後30日前後に行います。ただし、地域によって時期が異なる場合もあるので、事前に確認し、お宮参りの日程の1週間前には手元にあることが理想です。
また、赤ちゃんやママの体調を優先し、夏や冬の気候を考慮して日程を調整することも重要です。
祝着はお宮参り当日に必要となりますが、撮影を別日に行う場合は、その際にも着用できます。
写真スタジオで撮影する場合は、祝着のレンタルもついている場合もありますので、撮影日やレンタル日なども合わせて予定を立てましょう。
スタジオキャラットでお宮参り撮影をされた方には撮影の前後1か月で祝着のレンタルが可能です。
関連記事:「お宮参りの段取りと持ち物は?スタジオ撮影時の準備物あわせて解説」
祝着(のしめ)に込められた願いと意味
祝着に描かれる模様には、健康や成長を祈願する特別な願いが込められています。それぞれの柄について理解を深めて着物を選ぶと、衣装選びが楽しく、よりお宮参りが特別な思い出になるでしょう。
ここでは伝統的な柄について少しだけ紹介します。
柄 | 意味 |
---|---|
松竹梅 | 忍耐力や生命力を意味し、それぞれ単独でも縁起の良い柄ですが、3つが揃うことで「おめでたいことが重なる」という意味ももちます |
鷹 | 遠くまで見渡すことができる鷹の目から、本質を見抜き、先を見通す力や出世や大成を願う気持ちが込められています。 |
兜 | 頭を守る防具であることから、邪気や災難からの守り、権威や高い地位の象徴として出世や成長を願います。 |
龍 | 縁起が良いとされる想像上の生き物です。天高く昇っていく姿から出世や飛躍を願います。 |
花車 | 貴族の乗り物である御所車に花を飾った柄で、良い縁談を祈り、気品や美しい成長を人々から祝福を受ける願いが込められています。 |
手毬龍 | まるい形から、何ごとも丸く収まるようにとの願いや、貴族の遊びであったため、高貴さや気品のある柄として人気があります。 |
鶴 | 「鶴は千年」という言葉から長寿を祈り、良縁に恵まれるようにと願いが込められています |
このように、着物の柄には深い意味があり、赤ちゃんの将来への願いが込められています。
祝着(のしめ)の種類と特徴
祝着には、季節問わず着れるオールシーズン用と夏用の(絽)の2種類あります。基本的にはオールシーズン用を使用し、着物の内に着せるもので調整することが多いです。
反物の幅がそのまま背幅になり、背縫いがない一つ身の着物です。
また、男の子用と女の子用で柄や一般的に好まれる色が異なります。
- 男の子向け祝着:兜、鷹、龍などの勇ましい柄が特徴で色合いも黒や紺色など落ち着いた色合いが多いです。
- 女の子向け祝着:手毬、桜、蝶などの華やかなデザインが多く、色合いも赤やピンク、黄色などの明るい暖色系が多い傾向です。
男の子向け祝着(のしめ)の柄と色の選び方
伝統的な男の子用の祝着には、勇壮なイメージを持つ柄がよく使われます。着物の柄には願いや意味が込められていますので、一部紹介します。
柄 | 意味 | 色の傾向 |
---|---|---|
鷹 | 遠くを見渡し、鋭い爪で獲物を捕らえることから、先見の明や幸福を掴んで離さない力をつける願いが込められています | 黒、青、紺 |
兜 | 大切な頭を守ることから、災いから守るお守り意味があり、出世や一家の長として立派に育つようにとの願いが込められています | 黒、金、銀 |
打出の小槌 | 願いを唱えながら振ると様々なものが出てくることからお金やモノに困らないようにとの願いが込められています | 黒、金、紺 |
軍配 | 戦で自軍を指揮するのに用いられ、知力や決断力を意味し、自分の力で采配をふるい、道を誤ることなく進んでほしいという願いが込められています。 | 黒、茶、金 |
宝船 | 七福神が乗る帆掛け船で、米俵や金銀など宝物を積んだ縁起のいい柄です。希望の門出や一生モノに困らないようにとの願いが込められています | 黒、青、茶 |
男の子らしい凛々しさを演出するデザインが多いです。
近年ではモダンな柄や古典柄をおしゃれにアレンジしたブランド着物などもあり、白や淡い色合いの祝着も人気です。デザインや色も多様化しています。
赤ちゃんが持つイメージや、家族の衣装との相性や色合いを合わせるなど、好みのものを選ぶのもいいでしょう。
女の子向け祝着(のしめ)のデザインポイント!
伝統的な女の子の祝着には、優雅で華やかな柄が使われ、暖色系の色味が多い傾向にあります。特に赤色は邪気を払う力があるとされ、生命力の象徴とされています。
代表的な柄を一部紹介します。
柄 | 意味 | 色の傾向 |
---|---|---|
御所車 | 貴族の乗り物である牛車の別称です。玉の輿に乗れるようにとの願いや美しい成長を多くの人から祝福してもらえるようにとの願いが込められています。 | 赤、ピンク |
鈴 | 獣や魔物を払い、神や縁起の良いものを引き寄せる力があると信じられてきました。神様に願いを届けることを意味します。 | 赤、金 |
桜 | 日本の国花でもあり、古くから縁起のいい柄として用いられてきました。「さ」は稲、「くら」は神が宿る座を意味し、五穀豊穣の神が宿る木とされています。いっせいに咲くことから繁栄や豊かさという願いも込められています | 赤、ピンク |
椿 | 日本原産の木で古くから厄除けの木でもあり、吉祥模様の一つとされています | 赤、朱 |
蝶 | 形を変えて美しく成長する様に、美しく健やかに成長しますようにと願いが込められています。また、古くから不死の象徴でもあり、長寿の願いも込められています | 赤、ピンク、黄 |
女の子や鮮やかで美しいデザインが豊富で華やかです。色は明るい色が多い傾向にはありますが、近年では淡く優しい色合いや、かわいいうさぎが描かれたブランド着物などもあり、選ぶのも楽しくなることでしょう。
選び方のポイント
- 春なら「桜」や「椿」。夏なら爽やかな色合い。秋なら「紅葉」や「菊」。冬なら「松竹梅」など季節に合ったデザインを選ぶのもいいでしょう。
- 鮮やかな色でお祝い感を演出したり、ご家族の衣装の色合いに合わせるように選ぶのも写真に映えて素敵です。
- 伝統的な柄の意味を知り、願いを込めて選ぶといいでしょう。将来、お子さんに柄の意味を教えてあげるのもいいかもしれません。
祝着(のしめ)の費用相場と購入方法
祝着の価格は、新品と中古、レンタルで大きく異なります。
方法 | 費用相場 |
---|---|
新品購入 | 3万円〜10万円 |
中古購入 | 5千円〜3万円 |
レンタル | 5千円〜3万円 |
新品は手元に残せ、ごきょうだいや親戚に赤ちゃんが生まれた時に利用できます。
一方、中古やレンタルはコストを抑えるメリットがあります。
購入やレンタルの方法と注意点
• 専門店での購入:呉服屋さんや百貨店などで購入します。デザインや品質を直接確認できますが、比較的費用は高くなります。
• オンラインショップ:多くの種類から選べるが、実物を確認できないため、思ったものと違うなどがありがちです。不明点はメールで問い合わせるなど、しっかりと確認した上で購入、またはレンタルを行いましょう。
• リサイクルショップ:お手頃価格で手に入りますが、汚れや状態をしっかり確認する必要があります。信頼できるお店で実際に手に取って見ることが出来ると安心です。
• 写真スタジオ:お宮参り撮影を行うと産着のレンタルサービスを受けることができます。撮影特典として無料で貸し出してくれる場合や、産着のグレードによって追加料金が必要な場合もあります。
新品購入の相場と専門店の選び方
新品の産着の価格は、一般的に3万円から10万円程度です。
高品質な正絹製のものは10万円以上になることもありますが、ポリエステル素材のものは比較的手頃な価格で購入できます。
購入する際は、専門店や百貨店、オンラインショップを利用するのが一般的です。
信頼できる専門店の特徴として、
• 実際に手に取って素材や仕立てを確認できる
• 伝統的な柄や家紋を入れるなど、オーダーメイドの選択肢がある
• 着物の知識が豊富なスタッフがいる
などが挙げられます。
中古・リユースで賢く準備する方法
中古やリユースの祝着を利用することで、コストを抑えながら伝統的な衣装を手に入れることができます。
中古の祝着は5千円から3万円程度で購入でき、状態の良いものを選べば新品と遜色ないものもあります。
信頼できる販売先として
• 着物専門のリサイクルショップ
• 有名なオンラインショップで取引実績も多く、レビューなど高評価なオンラインの中古着物販売店
フリーマーケットやオークションサイト などもあります。
購入時には、生地の傷みや汚れをよく確認することが重要です。しみや汚れなどがあることも多いですが、裏地など見えない個所なら問題ないという方にはおすすめです。
親戚や友人に借りるのもいい方法です。一度聞いてみましょう。借りる際は汚れないように気を配り、クリーニングをしてから返すようにしましょう。
祝着(のしめ)のレンタル費用と選び方
祝着のレンタル費用は、おおよそ5千円から3万円程度が相場です。
ブランドや素材によっては、それ以上の価格になることもあります。
レンタルの場合はオンラインショップを利用するのが主流です。
レンタルを利用するメリットとして、購入よりも費用を抑えられる点や、一度しか使わない場合に管理の手間が省ける点が挙げられます。また、レンタル店ではクリーニング済みの清潔な衣装が提供されるため、準備の手間も軽減されます。
選ぶ際には、素材やデザインのバリエーションが豊富な店舗を選びましょう。また、帽子やよだれかけなどの小物がセットになっているかも確認しておくと、追加の準備が不要になります。オンラインレンタルを利用する場合は、配送日や返却期限もチェックしておくと安心です。
写真スタジオで宮参り写真を撮影する場合、祝着のレンタルサービスが利用できます。
スタジオキャラットでは宮参り撮影特典として、1日無料で祝着とよだれかけ、帽子をレンタルしていただけます。※一部ブランド衣装や正絹はグレードアップ料が必要です。
祝着(のしめ)選びで失敗しないポイント
事前に祝着の柄の意味やかかる費用、準備できる場所や準備する時期などは、赤ちゃんが生まれる前にリサーチしておくと安心です。また、下記のポイントも確認しておきましょう。
赤ちゃんに合った素材を選ぶ
赤ちゃんの肌はデリケートなため、祝着の素材選びが重要です。
正絹(シルク)は高級感があり肌触りが良いですが、汚れがつきやすく手入れが必要です。一方、ポリエステル製の祝着は比較的安価でシワになりにくく、お手入れも簡単です。
季節によっても素材選びは重要で、祝着の下に着せるもので調整しましょう。正式には絹糸を用いた白羽二重(しろはぶたえ)を着せますが、夏場は通気性の良い生地のベビードレスやロンパース、冬場は保温性のあるものを選ぶと快適に過ごせます。
着せやすいデザインを見極める
祝着の下に着るものは着せやすいデザインにすると負担を減らせます。ベビードレスやロンパースは赤ちゃんを寝かせたまま着せることができるため、前開きのものを選ぶと着替えがスムーズです。
家族と相談して決める
祝着選びは家族全員の意見を取り入れることが大切です。
祖父母が購入やレンタル費用を負担する場合もあり、意向を尊重しながら選ぶとスムーズです。また、色柄の好みや伝統的な意味を考慮しながら、家族で話し合うことで満足度の高い祝着を選べます。
七五三でも仕立て直して使うのかを考えておく
購入した祝着を七五三でも活用するケースもあります。特に、3歳の七五三では産着を仕立て直して被布(ひふ)を合わせることで、七五三の時も利用が可能です。そのため、成長を見越したデザインや色柄を選ぶと、長く使える一着になります。
関連記事:「産着は七五三で使える?仕立て直しについてわかりやすく解説」
お宮参り当日の準備
お宮参り当日は、赤ちゃんや家族にとって大切な一日となります。スムーズに進めるために、事前に準備を整えておくことが大切です。
前日までの準備リスト
- 祝着(のしめ)や小物(帽子・よだれかけ)の確認
- 家族の服装・靴などの小物(フォーマルな装いを推奨)の確認
- 天気予報の確認と必要に応じた雨具の準備
- 赤ちゃんのおむつ・ミルク・着替えの用意
- 神社への持ち物(ご祈祷料・カメラ・母子手帳)
また、撮影を予定している場合は、カメラやスマートフォンの充電を確認し、撮影スポットや家族撮影の場所など事前に決めておくと良いでしょう。
当日のスケジュール管理
当日は赤ちゃんの体調を優先し、余裕を持ったスケジュールを立てることが大切です。
1.自宅での準備(1~2時間前)
・ 赤ちゃんの授乳・おむつ替えを済ませる
・ 家族も着替えを整える
・ 前日に用意して持ち物をさっと確認する
2.神社への移動(30分前)※移動場所により異なります
・ 車移動の場合は渋滞を考慮し、時間に余裕を持たせる
・ 公共交通機関を利用する場合は、混雑時間を避ける
3.お宮参りのご祈祷(30分〜1時間)
・ 予約が必要な場合もあります。お参り日前には確認し、予約を済ませておきましょう。
・ ご祈祷後に記念撮影を行うとゆったりと撮影できます
4.帰宅・食事(終了後)
・ 家族で食事を楽しむ場合は、赤ちゃんの体調に注意し、外食をする場合は個室で行うと安心です。
関連記事:「お宮参りの段取りと持ち物は?スタジオ撮影時の準備物あわせて解説」
今しか撮れないその一瞬を一生に
生後30日前後の生まれたての赤ちゃんの成長は早く、あっとゆう間に大きくなってしまいます。ご家族にとっても大切なお祝いを写真に残しましょう。
スタジオキャラットでは撮影やレンタル用の祝着を柄や色合いなど豊富に取り揃えています。お得な撮影キャンペーンもご用意していますので、ぜひご家族の記念撮影を行ってください。
スタジオキャラットの宮参り
まとめ
お宮参りの祝着(のしめ)は、赤ちゃんの健やかな成長を願うお宮参りの大切な衣装です。
着物でお参りをしなくてはいけないという決まりはありませんが、伝統的な行事に参加する際には検討してみてはいかがでしょうか。
男の子・女の子それぞれに適したデザインがあり、購入・レンタルなど選択肢も豊富です。準備をしっかり行い、思い出に残るお宮参りを迎えましょう。